『謎の画家」小林かいちを紹介する展覧会です。今回の展覧会では、かいち作品339点を展示します。かいちの作品をこの規模で展示するのは、全国でも初めてとなります。小林かいちは、アール・デコ的な作風を得意とし、多くの絵封筒、絵はがきを制作しました。それにもかかわらず、大正から昭和にかけて京都で活躍したこと以外は生没年や性別さえも判明しておらず、現在その画業の検証が最も望まれている画家の一人です。
また、小林かいちをドイツの画家ハインリッヒ・フォーゲラー(1872-1942)、高畠華宵と比較展示することも本展の大きな試みです。一見何の関連もないかのようにみえる3者ですが、花のモチーフと少女像を用いることによって抒情性を表現したという共通性があります。